シベリア

「これはスゴイわよ。」
タツに潜り込んでいる時に、かなり分厚い小説を女房から手渡された。
ページを開いた途端に吸い込まれ、あとは一気に。
マーセル・セロー「極北」、ヘビーな内容ですが夢中になれます。
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画像はGoogleマップからレナ川の河口。
(いつの間にか地図もベクターデータになってるんですねえ)
これなんかTシャツにしてもいいようなパターンだけど、空から見ると茫漠として圧倒される。
直通ヨーロッパ便はだいたいこの辺りを飛ぶのでご存知の方が多いだろう。アムール川上空で眠くなり、レナ川で目を覚まし、エニセイ川でウンザリしてオビ川でまだまだなのかとまた眠り
7,8時間も同じ地形が続く。
稀に道路や集落らしきものも見えるが、まさに世界の果て。こんな所で暮らすってどういうものなんだろう?
このルートでは何度も反対方向に向かうジェット機とすれ違う。
地上の住人よりも空中の旅行者の方が多いのじゃないかな?
そんなシベリアを舞台にした食糧危機の近未来ですから、実にダイハードです。
人々が漠然と抱いている不安感をはっきり形にしていることに感心しました。ミレニアム以来の傑作、翻訳は村上春樹。この人の嗅覚もすごいね。
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