京都建築散歩2

建築=洋館という解釈であちこち見直してみる。
見直すというのは、日常的には違和感を感じないほど京都の町並みに洋館が馴染んでいるからだ。
そのときは近所の七条通りなどを取り上げたが今日は三条通り。
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一番上は旧日銀京都支店の内部。いつもお世話になっている広島旧日銀の姉妹店ですね。
岡山、松江にもあるし小樽の名物にもなっていますが、イタリアみたいに「贅沢すぎる」と思われたものが遺産となって活躍している。
時計店や新聞社など、ここ三条にはどっさりと洋館が建ち並んでいて、どれも建設当時は最先端だったのだろうけど50年ぐらいでノスタルジックな雰囲気を漂わせるようになる。
だいたい日本の建築は25年ぐらいで建て直されてしまうが、最低100年は使えるようにしたいものだ。
下のビルも危うく壊されるところだったが、今はギャラリーやレストラン、ホールが入って若者で賑わっていた。
この三条通りは道路の拡幅ができなかったことが幸いして町並みが保存されたという。この通りを歩いていると、ちょっと気の利いた作品が作れたらその日暮らしでも生きて行けそうな気がしてくる。そんな活気がある。
きょうは広島市立大学の卒業展を見るために大学や現代美術館を回ったのだけど、暗い、寒い、寂しい雰囲気でパッとしない。「アートなんかやってたら生きていけません」という気分になってしまう。
狭くてごちゃごちゃしているという密度が人間の暮らしには必要なのだが、都市計画が行き届きすぎてガラガラの抽象空間になってしまう。デザインの盲点だ。
キャリアデザインなんて言葉が中学生あたりから使われ出しているが、人生までそんな視点で設計しようなんて危ないなあ。