東京-京都

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2月恒例の東京詣で。
昨夜までの雪も上がって見事な富士山の姿が。列車の中ではしゃいでいるのは俺ぐらい。
以前には車掌の案内があったものだが・・・
浮世絵は別として、近代に描かれた富士にはほとんど良いものがない。このあたり調べてみるとおもしろそうだ。
品川から新宿、初台のICCへ。
「みえないちから展」鑑賞。
暗闇を走る模型列車の電灯が周囲に置かれた雑品(鉛筆、ざる、箱など)の影を変化させていくというクワクボさんの作品に感銘。ただ、この作品、HPに載っていません。メディア芸術祭の受賞作だったので何か事情があるのかも。
フラスコを透過するレーザービームが鮮明な回折パターンを刻々と変化させる「クラウゼンフラスコ」も深く印象に残る逸品。
この展覧会には愚息も出品しておりまして、磁石と冷却ファンとガラクタで組み上げられた音響ピタゴラスイッチのようなもの。これまで見た中では最も作りこまれていて、ようやく彼がやろうとしていることが分かった感じ。いつまでも見飽きません。
総じてコンピュータの存在が無いか極小に押さえられていて、ノートパソコンが並んでいた一昔前とは大きく変わってきている。いかにもプログラミングで映像を生成していると思われたものも実は実写のコマ撮りだったとか、その夜に泊まった息子のアパートで聞いた。
親の欲目もありますが、とても良い展覧会です。ぜひどうぞ。
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常設もじっくり見てくたびれたので新宿駅まで都庁周辺の高層ビル街を見物しながら歩く。
ところどころ雪が残って風も強かったが、荒涼とした雰囲気が気分を冷たくさせる。
駅周辺の雑然がほどよく(きわどく)バランスを保っているのだろう。
中央線経由で有楽町に出て銀座を散歩。
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この写真だけだと何処の街かわからない。すべてが新しく無国籍で徹底的に清潔な所は他に無いので特色になっているという銀座。確かに快いものですが雑誌の最新号ばかり見ているみたい。唯一の和風小物店で女房の土産を買い、新橋で大学の友人に会って地下街で飲む。
音楽、ギター、旅行と話題は尽きない。「あっという間に時は過ぎる」ことがわかったのが60年生きてきたことの収穫だねと苦笑いの納得。
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翌日は六本木の森美術館へ。
下北沢からの小田急車内で物凄くかっこいいオッサンがいて、頭から足元まで感心して眺める。毎回、東京に来るたびに、お洒落だなあ!という男を見かける。同時にガラスに映る我が姿に慄然とさせられるのだが、競うべくも無い。個性というか、もっと「笑われる人間」になっておもしろさで勝負しましょう。
さて小谷元彦展 幽体の知覚ですが
40歳前で幾多の高い評価を受けている芸大准教授なのにぜんぜん知らなかった。
高い金を取る森美術館だから、それほどひどいものは出さないだろうと入ってみたのだが、圧倒されました。
好き嫌いはさておいて完成度と技術の高さは驚くべきもの。時代錯誤のアカデミック入試を課す東京芸大が生んだ意外な現代的展開か。
見てみるものです。
展望台からぐるりと東京を眺めてからバスで渋谷に向かい、東急東横線で横浜へ。
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みなとみらいの横浜美術館で「高嶺 格:とおくてよくみえない」を見る。
ワイルドな現代美術。真っ暗な室内にいろんなものが置かれて(いるようだ)、ゆっくりスキャンするライトがそれらを照らしていくという展示には「なにも見えないじゃないか」と怒っている観客も。
タイトルどおりではあるが、美術の固定観からは程遠いものだけにチューニングが合うまでは時間がかかる。
ここの常設はシュルレアリズムなども豊富で六本木の新美術館で開催中のシュルレアリズム展をパスしてきたけど埋め合わせができた。
ここから新横浜新幹線駅スイスイと乗り継ぎ。前夜に息子から出入り口などのポイントを聞いていたのだ。例えば六本木の地下駅はとても深いので、乃木坂の方が便利ということは平面的な地図からは判別できない。3Dマップが必要です。もう出てるか?
夕方には京都に。
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こちらの主目的は精華大学の卒業展。受付でいきなりこの大学に編入していたYさんに声をかけられる。こういう展示ではデザイン系、立体系が映える。絵画が全般に冴えないのは30年前も同じ。(あれから30年も経ったのだな)全体にポップで楽しい雰囲気が増えていてお祭り気分なのは京都風なのかも。

こちらではいつものように実家に滞在し、母親に食事などの世話をしてもらって、息子にも会い、だらっと過ごしていた。運動不足を解消するために自転車で嵐山まで往復して、その距離が俺の通勤と同じことを確かめる。そのことはこのBLOGにも地図を重ねて書いたことがあるが、空間感覚って不思議なものだ。アメリカ人が500kmをすぐ近くに感じていることも信じられないけどね。
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途中に蚕ノ社車折神社鹿王院に立ち寄る。帰りは強い追い風もあって35分!車より早いかも。

ということで帰宅して女房、猫との静かな生活に戻りました。