図像学

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美術愛好家のグループから講演を依頼された。
このBLOGでも再三にわたって書いたように、3Dと西欧絵画について物思うことがあったので
資料を作成して準備を進めていた。
ただ、会場はあまり暗く出来ず、スクリーンがなくてプロジェクターも低解像度と、気合を入れて作った映像資料が活かせない。画像にあるように、カラバッジョの3次元模型でバロックのライティングの妙を語りたかったのだが・・・(来年の講義で使おう。)
当日の午前中、久々の機会だったので風邪気をおして炎天下のテニスを3時間もやったものだから、顔は油っぽくぎらぎらで、足の裏が痙攣して引き攣り、Gパンにアロハという格好もあって題目にそぐわない雰囲気となった。(いつものことだけどね。)
でも聴衆は熱心で知識も豊富な人ばかりだったから、いろんな話で盛り上がった。
とくにホルバインの「大使たち」(この二つの言葉で検索すればいっぱい画像があります。)の謎に対して、ある年配の紳士から出された解釈はビックリ物で、これまで本やWEBで見たどの解説よりも説得力があった。
画面下の歪んだ骸骨は、大使たちへの「死の宣告」だというものだ。非常に西洋史にも詳しい方でヘンリー8世の性格も踏まえた秀逸な解釈なので、是非、まとめて公表されるように勧めた。
講演後の懇親会でも、その方はチチアーノの「ウルビノのビーナス」、マネの「草上の昼食」についてビックリの解釈を披露されたが、お酒のせいかシモネタが多く、賛同はできないが可能性も否定できない楽しいお話だった。
あんな絵の見方があるなんて・・・ちなみにその方は弁護士で、長年にわたって裏を読む事を続けて来られた様だった。
会場には古い卒業生の方も居て、ワインやビールを飲み交わしながらゆっくり話すこともできて、とてもハッピーな時間でした。