空想美術展

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広島近郊の志和堀で9月に美術展が開かれる。
その作品構想と資料収集のために現地を再訪し写真やビデオを撮影した。
これまでとは違ったことを試みたいが、そうすると完成までの計画が立て難い。
となると今から本気で作り始めなければ。
ということで試作したものがこれ。
実際の風景に架空のオブジェを合成してみる。さらに解説者を合成しても良いかも。

そんな作業をしながら、CGについて物思う。
今月、そんなことばかり書いているのだが、やっぱり美術は従来の枠組みを破って拡大していかなければチンマリした趣味の世界で閉塞してしまう。
どうも「個性」という代物が世界を狭くしているように思えてくる。
ルネサンス頃の絵画は基本的に客観描写で、構想力や表現技術力が「個性」だったが、写真以降にそれが特異な描法に変化していく。そのプロセスで構想力というか、描かれるべき対象を創りあげる力は建築や工業デザインなどへと分化していって、芸術家というと一般社会のアウトロー、無用の長物、飾り物みたいなポジションに押し込められている。

もっとも驚かされた絵画、ホルバインの「大使たち」を見ながら、何故こんな絵を描いたのか、どんな手順で制作したのかを想像すると、「絵を描く」ということの意味が現在とは全然違っていたことが見えてくるようだ。
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