ヘベレケ東京

イメージ 1

京都・東京での最新の美術鑑賞を目的とした旅行(実際はそれより人に会って話すことばかり)から帰った。そこで小学生の作文調で時間軸にそった感想文を書こう。

近美の上野リチ展。意外にデザインの展覧会が開かれることは少ない。どこか懐かしい図案としてのデザイン。小学校の時にやったな。この種のデザインは紡績という産業とともに成長した。産業革命のころだから150年以上前のことだ。モリスとかデザイン史で最初に出てくるけど、何か復古的で未来を志向していないのが気になっているのだが、それを思うと今の美術学校に情報化社会でデザインするための教育が可能かという疑問が生じてくる。アカデミズムの常として最新のものを避ける、古典を祀り上げる傾向があるけれど保存会では現代に生きていけない。美術学校から男子学生がどんどん減っていくのもそんな理由だろうか?

次に京都市美術館で開かれている嵯峨美の卒業制作展へ。写真の上が会場風景で、戦車の子供はリアルな彫刻作品。こういう展示では彫刻が映えるものだが絵画を寂しく感じたのは多分時代の変化で、いま時代を引っ張るような流行が無いので何をしていいのかモヤモヤしていて、かといってストレートに描写することもできないのでパワーダウンしているみたい。やっぱり俺は「絵」が気になるのだね。でも相変わらず版画やイラストなどは元気。京都では唯一の短大なので我が身と重ねて鑑賞。
その後、近美にもどって後輩のTさんと30年ぶりぐらいに会って美術学校の問題などを話し合う。学生時代と変わらず聡明なTさん。母親が待っていなかったら一杯飲みながらもっと意見を交わしたかった。

翌日は東京へ。ほとんど準備もせずに出てきたので東京駅で途方にくれて構内の本屋でミニ地図帳を購入する。思えば2年ぐらい来ていなかった。その間に完成した国立新美術館のメディア芸術祭へ。ガラガラに空いていたYCAMとは一転して多くの観客でインタラクティブ作品も順番に並んで触れる。写真2番目の映像は「携帯電話で魚釣り」という作品。グランプリの作品はこの前の広島アニメーションフェスで第2位になったもの。秀作だが何度も受賞できるのは?という感じ。
朝からの頭痛がひどくなったので早々に下北沢に向かい息子のアパートへ。ビールを飲みながらひっくり返っていたら卒業生のTイズミさんから電話。今回いろんな人に会う約束をしてきたのでケータイをレンタルしてきたのだ。会う約束をしていた一人、KマユミさんがTさんに知らせたらしい。早速に駅前に行ったら以前から写真関係の仕事で東京に来ていたTミワさんも居る。当地のギョーザの王将でHシオリさんがバイトしているというから、そこへ押しかけて感動の再会。王将で7時くらいから飲み始め、9時にはKマユミさんも到着。キャーキャーハグハグ。11時にはHシオリさんも仕事をあがって参入。さてそろそろお開きにと時計を見れば何と2時を過ぎてる。それでも店の外は人がいっぱいでまだまだ下北の夜はこれからだ、みたいな雰囲気だがさすがに老体の俺はヘベレケ。徒歩1分のアパート前までにぎにぎしく送ってもらって部屋に入ると息子もなんやかんやと作業をしている。3時には眠ったはずだが目覚めたら11時半。息子はフリーランスのエンジニアでアーチストという人間なので、こういう無茶苦茶につきあってくれるのだ。下の写真は翌朝に息子が作ってくれた朝食。これはびっくり。まったく調理などとは無縁の人間だったが。変わるもんだ、まだまだ若いということか。
この日の午後は新宿のICCで洗練されたメディアアートを堪能し(アーカイブには息子のライブ映像もあった。)、秋葉原や有楽町をぶらついて大学時代の友人とまたまたビールを飲んで語り合い、夜遅くに戻ろうとしたら郊外に向かう電車は大変な混雑で、やはり2時過ぎまで息子と雑談し、パトカーやおっさんの喧嘩やバイクの轟音などを聞きながら眠る。
ということで大変疲れましたが、明朝は肝臓の検査が待っている。
どんな恐ろしい結果が出るか。早く寝た方がいいね。