バリ 食事

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旅に出かける前に子供たちから「母さんにちゃんとした食事をさせないといけないよ」と注意され、ホンマに高級ホテルかいな?と怪しまれていた。
というのも、かつて俺の旅行でマトモな食事や快適な宿というものは在り得なかった事を、子供たちは身に沁みて知っているからだ。
こんな人間なので俺が企画した旅行は普通の人より確実に30%は安くなる。さらに18切符などを使えば半額ということもある。貧しい生まれ育ちの悲しいサガで、安く済ませたというだけで充実感が湧き、お金を使うと罪悪感を感じてしまう。そんな俺だがさすがに学生を引率して奈良に行った時の宿と夕食には萎えた。昭和中期のユースホステル、Pタイルの食堂で、冷え切った玉子焼きとベチョベチョのミートスパゲティがバシバシのご飯に添えられていたのだ。
意気消沈した俺の傍らで、同宿の老白人夫婦がテーブルに小さなチェックのクロスを敷いて、持ち込んだフランスパンとチーズを慎ましく食べていた光景が印象に残っている。

というわけで、「マトモに食べる」ことを誓って出かけたのだが、慣れない事はするものではないもので、最初に俺が選んだ店は団体ツアーにドバッと雑な料理を提供するような所で、味も最悪。
一転、女房が選んだ夕食の店は(写真左下)原宿にあってもおかしくないようなお洒落な店で、味も良かったけれど1人あたり100000ルピー!
そんな大金あるわけ無いとカードで支払ったが、あちらの500ルピーは6円相当だから1200円ほどだった。これだって屋台で食べれば一桁以上も安く食べられるのだが、それは医者から禁じられている。俺の胃は殺菌力が弱いのだ。

といってもホテルで夕食を取っていたら破産する。そんな宿泊客で近所のレストランは賑わっているのだが、店先で客を引くなかで25%オフでどうだ?と持ちかけてくるところがあって、定価が無くて交渉次第のバリでもちょっとこれは珍しい。日本語もうまくてバリ料理の解説もしてくれるから入ってみたら、これは結構おいしかった。
次の日も行くと先客の日本人が交渉していて「30%オフになりましたよ」とのことで、我々も30%オフでナシゴレン、テレマカシ(ありがとう)。

とまあ、いろいろ食べたけど、感動したのは画像左上、「Cheap Steak」という小さなお店。
昼下がりの腹ごなしにファーストフードでもと入ってチープステーキ(名前がいいね)、チキンナゲット、フライドポテトを頼んだのだが、なかなかモノが出てこない。
何をして居るのかなと店先を見たら兄さん(店員1人、とてもハンサム)が炭火を熾していた!
油を熱してジャガイモを揚げ、ステーキを焼く白煙が路上に流れていく。
ずいぶん待たされて出てきた料理は、熱々で脂が落ちてあっさり、とても美味。これこそホントの炭火焼だ。しかも価格は2人全部で25000ルピー(300円)。感動料として5000ルピー、プラスしたけど、思えば60円、安すぎたな。

ということでしたが何といってもホテルの朝食、トロピカルの果物がいっぱい。
マンゴー、パパイヤ、ドラゴンフルーツ・・・たくさん戴きました。
でも小さなバナナをおやつにとポケットに入れて持ち帰ったら昼前には腐ってしまった。
拾った白い花も早々に黄ばんでくるし、なにか熱帯には違う時間が流れているようだ。