再会

東京へ転勤になった大学時代の友人が横浜に住んでいる。
そこで久々に会おうじゃないかということになり、駅で待ち合わせた。
25年も会っていない。
変わり果てた姿を見せ合おうと話していたのだが、駅内はすごい人混みで互いが識別できるだろうかと心配になってきた。
時間ちょうどに現れた姿は、なんと髪型、服装、体型、まで以前と全く変わらないままだった。
驚きながら近づいていって声をかけると、一瞬たじろいでいる。
時間差の調整に戸惑っている様子。かなり予想外の変化だったようだ、俺は。
一方、彼の声、歩き方もほとんど昔のまま。
焼き鳥屋に入って帽子を脱ぐと「おう、おう!」と彼の眼がまん丸くなる。
変わり果てた男と変わり映えしない男の対面。
ガラス器のデザイナーと短大の教員、しかし最近聴いている音楽や楽器の話など、どれをとってもピタリを合致。
閉店までビールを飲み交わし外に出ると、先ほどと変わらぬ雑踏。
「東京は異常やで」と話す彼は毎日片道1時間半の通勤をしている。
おれは暗闇の土手道を自転車で走っている。
いろいろあるもんだ、人生さまざま。
それにしても互いの風貌には15年は歳の差が感じられる。
そんなに苦労をしたかな?