自画像

「もうすぐ2月も終わりね」

先月も同じこと言ってたな。その前は「もうすぐ今年も終わりね」だった。

もうすぐに「もうすぐ人生も終わりね」となるのだろう。

口には出さないけど、俺なんか毎晩、「今日も終わったな」と思っている。

 

退職してから3年になろうとしている。

中学、高校ならいろんな変化(進化)があるが、中高年は基本的に退化していく。

老年だから居直って「老人力がついた」と言うべきだろうが、まだその諦めがつかない。体を動かしていたり酔っ払っている時はご機嫌なのだが、一人静かに過ごしていると反省モードになっている。

そんな時に隣家との境に割れたガラスやゴミが捨てられていると女房が言う。

近所の悪ガキの仕業だろう。

まずは警告を出すべきだろうから、内省はさておいて作成にかかる。

テープ文字で始めたが、肉声が感じられた方が効果的だろうと墨で。ついでに落書きも。このノリで先日の野菜マーケットでもらってきたジグソーの裏面を白く塗る。

迷路地図とかを描いて、分解しながら彩色するというプランを立てたが、ムラムラの画面を見てると木炭などでデッサンした方が良いかなとか・・・

内省していた時、久々に自画像でも描いて20年以上はズレている自分のイメージを修正してみるかと考えていたので、やってみる。

自分を見て描くのだから当然に眼は見開いて観察している。ビデオ通話で写っている呆けてしょぼい細い目の姿にはなれない。どちらが「本当の自分」かなんて考えるよりも演劇の練習をした方が良い。

そうだな、舞台の自分を演出するつもりで描くといいのだな。

ジグソーのことはもう考えずに。