貴賎

この数日、BSでビスコンティの映画が放映されているので女房が録画している。
「ベニスに死す」「家族の肖像」と久々に見て、ヨーロッパはこういうものだったのかと再確認した。クラシック音楽、油絵などの芸術を支えた世界。
極東の島国でこんな異次元への憧憬が肥大した歴史や滑稽さを想う。
ビスコンティはお城で育った本物の貴族だ。彼の背景は庶民とは雲泥の差があり、日本と西欧との隔壁と似たようなものがあるのだろうけど、貴族階級を身近に見ると、どうなんだろう?世界の亀裂とか、教養とか考えるときに根元から揺すぶられる感じだな。

バイクのメンテナンスを待つ間に店の近くのスーパーをウロついた。40年は経っている古い店内は商品の配置もぐじゃぐじゃで衣料品は呆れるほどにダサいものばかり。そんなものを身に付けた老人がけっこうたくさん。市内のデパートより賑わっている。
百均で探し物をしている間にすれ違った老人たちはブリューゲルの風刺画から出て来たように(他人事ではないが)醜悪で、衝撃だった。
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カープの応援歌が鳴り響く店内食堂のディスプレイ。
こんなものが存在して店が成り立っているとは信じられない。
ここまで来ると怖いもの見たさで入ろうかと思うほどだが、あまり安くないのでパス。
こういう生活もあるのだ。
リニューアルしてお洒落にするばかりでは商売にならない。
これもデザインなのだろうけど、すごく嫌だな。