次男が京都で働き始めた頃に、女房は滋賀を一緒に回っていたのだが、俺はなかなかその機会が得られなかったので、先日チラシで格安ツアーを見て申し込んでおいたのだった。
滋賀の春は遅いので、期待通りに桜、雪柳、桃、椿、菜の花などなど、楽しめる。
広々とした琵琶湖と平野に恵まれ、多様なアクセスで交通便利。
百済寺からの眺望。
この平野の真ん中が安土だから、信長が何故この辺りを焼き討ちにしたのか、ストンと納得できる。
これが今回最大の成果かもしれない。
目の上のたんこぶとはまさにこのことだろう。
ただ、ここの秘仏、古そうだが顔面が異様に小さく、付け替えられように思えるしトータルな彫刻として眺めると、いまひとつ。
山城のような境内にいっぱいのミツマタ。お札や和紙の原料のあれです。
その名の通り空間を3等分する形で枝分かれしていく。ねばっとしたしなりがあって腰の強い紙をつくるのだろう。
高齢者の多いツアーメンバーのマナーはとても良い。
娘さんに支えられて登る90歳ぐらいの老女の後を、杖を頼りにゼイゼイとついていく。
三カ所ともこのような参道がある。少しずつ慣れていったけれど、かなり情けない気持ちになった。
山門の仁王様からも推測できるように仏像のレベルは高いが、堂内の撮影は不可です。
わりと自然体で拝観できる。
建築、庭園ともに素晴らしく、京都の寺院と遜色ない。
この付近は近江商人発祥の地で、田舎の集落の豪壮ぶりに圧倒されるほど豊かな土地だ。
食糧難が懸念される未来でも、ここなら生きていけると感じさせられる。
播州平野に散在する立派な寺院と同様の構図だけど、相当に広域な経済が都の文化を作ってきた。
この背景があるから紅葉名所になるわけですな。
このルートは自転車で走ってやろうと計画したところだ。
早く回復させて、実行させたいものだね。