2012-10-10 物語4 無題 #練習用 オレンジの木は、海が近くなったことを知らせているのだろうか。 眠りの中で、メディテは「あたま」と語り合う。 「海って、どんなものなのですか?」 「海はアナトリアの平原よりも遙かに広くて、大地は海に囲まれている。」 「すべての生命は海から生まれたのだ。」 光と水からささやかな生命が生まれたという、世界の始まりをメディテは夢想した。 この荒涼とした平原でも、数え切れない生命が生まれ、そして消えていったのだ。