新年おめでとう

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新年、初詣は伊勢参り
という気分だが実は年末の30日に出発。
息子の運転で完成したばかりの高速、新名神を東へ。思ったよりも近い。
当地はすっかり正月モードだ。駐車場は一杯で人出も多くて、31日からは規制が始まるというから、85歳の老母を連れての旅にはギリギリのタイミング。
「おはらい町」を冷やかしながら通り抜け、先月架け替えられたばかりの宇治橋を渡って内宮へ。穏やかな天候にも恵まれたが、母親はまったく疲れた様子もない。俺より足腰は強そうだ。
京都市の小学校では修学旅行が伊勢と決まっていたから、母親も俺もここに来た。
母はそれ以来だから、なんと73年ぶり。われわれ夫婦は新婚旅行以来33年ぶり。
伊勢神宮と二見浦が定番なので二見浦の旅館街に宿泊する。
夫婦岩は驚くほど小さくて、小学校6年のとき泊まったような気がする「いろは旅館」も健在。それらの前で記念撮影。
どの旅館も40年ほど前の昭和コンクリート建築を併設しているが、そのどれもがボロボロで、古い和風本館よりもはるかにみすぼらしい。いま、我々の周りにある目新しい建築も同様の運命をたどる事だろう。情けなく思われるが息子にとっては戦後モダニズムの残骸が新鮮に映るようで、一緒に歩きながらもカメラを向ける対象の違いがおもしろい。
手にしているカメラは同じリコーGRで、この前に長男が「俺の周りはみんな持ってるで」と言ったとおりである。
旅館が並ぶ静かな通りは表参道という。
部屋の窓からは松並木越しに伊勢湾が一望できて、構図としてはワイキキと同じだが、もちろんぜんぜん違う。回復の見込みがないほどに疲弊していて、丘の上に立つ「ちょんまげワールド伊勢」のチープな天守閣が致命的なダメージを与えている。
宿の内装も相当なくたびれ方だったが広い部屋でたっぷりの食事、まずまずである。

翌日は打って変わって冷たい強風。
広島では積雪というメールが女房に届いている。こちらは快晴だ。
大王崎までパールロードをドライブ。この日は俺が運転、しっかり下調べしている息子がナビを務める。この灯台付近には「絵の町」という横断幕や「ここで絵の具を洗わないでください」という表示がトイレの手洗いにある。一昔前の画家はしばしば各地の岬をモチーフにして油絵を描いていた。俺にはさっぱりその良さも意味も理解できなかったし、いまも現地に立って見て、どうしてこんなところにきて絵を描こうとしたのか、何を描こうとしたのだろうかと頭をひねった。
まだ、60歳以上の人にはこのタイプの絵画を信奉している人がいる。高名な画家が描いた絵を同じ画法で描くという不毛なリサイクルが絵画教室を支えていた(或いは、支えている?)。いまも少なからぬ愛好家がこの地を訪れているのかもしれないが、護岸工事で破壊された海岸線をどのように描くのだろう?
ちょっと重い気分になったが同行者は港の露天販売で一夜干しを試食して盛り上がっている。
強い日光と冷気が一夜干しには最適というだけあって、とてもおいしい。いろいろ買って、カキの焼いたのを食べたり、漁港で戯れた。

その後、松阪の旧市街に立ち寄って大晦日の京都に帰る。
元旦は兄貴の一家が押し寄せてきて、狭い家に9人詰め込んで、終日ひたすら飲み食いという、実に新年らしい一日を過ごした。
さて明日は広島に帰る。いまから2階のベランダに出て、ご近所の無線LANを拝借して、これをアップしよう。