お金

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卒業制作が近づいてきたが、学生の腰は重く、まだまだ形は見えてこない。
素材だけでも揃えるように言っても「今、お金がないから」という返事が再々。
何のために入学してきたんや!と言いたい所だが、振り返ると俺だって作品に金を使ったことはほとんど無かった。
けち臭い材料ばかり使っていたし、まともに油絵の具を塗ったことも無い。
作品はそれほど金をかけて作るものではないと考えていたし、ゴテゴテと厚塗りしてはナイフで削り落とすような制作はバカにしていた。
貧乏に育ったからだろうか?
それほど金持ちを見たことも意識したこともないし、惨めな思いをした記憶も無いけど、基本的に「タダでも出来るし、金はかけない方がいい」という思いはある。
当然のようにそれは今でも続いていて、安価な素材を探す努力は惜しまない。

デジタル系の制作が近年多くなったけど、パソコンやソフトがふんだんにある環境でなかったら、自前で買い揃えてまでやっていたかどうか怪しい。
多分、していなかっただろう。
だから卒業までにアカデミック価格を使ってソフトの購入を勧めているが、どこか本気になれない。
だが最近、ちょっとした異変に気づいた。
かなりの学生がPhotoshopなどのソフトを得意としているが、その人数が急激に減ってきているようなのだ。
おそらく高校での美術教育の減少だけでなく、不法なコピーではあるが、「ちょっと勉強しておきなさい」という感じで黙認されていた使い方が技術的にも不可能になったことも原因しているのではないかと想像している。
 これはADOBE社にとって得なことではないので、高校に普及版のELEMENTなどを無償配布してもらいたいものだ。使ってみないとその必要性や優秀性が理解できないぞ。
そんなことを思いつつ、WEBをさまよっているとフリーソフトの発展が目に付く。そのことは先日も触れたが、ひとつフリーソフトだけで固めた一台で何処までやれるか実験してみたくなった。
この原点志向がなかったら、俺がこんな仕事をしている意味はないのじゃないか?とたいそうに言えば言えないことも無いが、なんといってもタダですからね。どうしてもそちらに向いてしまうのです。