PINHOLE-針穴写真機

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専攻科の学生を対象に写真の授業をしているのだが、最近は自宅にフィルムカメラを持っていない人が多くなってきた。ましてやマニュアル操作ができる一眼レフなど、ほとんどない。
「シャッターを押せば、自分が見たものを写せる」なんてことはない。
それを体験できなければ意味が無いなと考えていたときに、針穴写真機を思いついた。
調べてみると参考書は少ししか出版されていないが、現代美術の領域で盛んに応用されている。

製作はいたって簡単で1時間少々で完成する。ポイントは印画紙をどのような方法で固定するかだろう。
さらに三脚に固定しようとすると、いささか面倒な工作が必要になるが、机や地面に置いて撮影すればよい。晴れた屋外では90秒でOKだが室内では15分という長い露出時間がかかる。

学内で撮影していたところ、学長が通りかかって90秒のポーズを決めてくれた。
画面の下が撮影したもので、それを反転させたものが上。
フィルムの代わりに印画紙を使っている。
たとえ90秒でもじっとしているのは難しい。
学長はぴたりと静止して模範的なポーズだったがそれでもブレている。
そこにこのカメラの可能性がある。動くものが浮き出す。
いろいろとアイデアが湧いてくる。