縮む時間

今日こそ家に居てだらっとしようと、ジイさんらしい服装を考える。

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実際にこういうことになったのだが、合成繊維の発達で時を感じさせるヤツレ感というか「年寄りらしさ」が表せない。もちろんそれは服の話で身体は十分にやつれている。

だが机の前にじっと座り続けていられないもので、洗面所の引き戸のガタつきを直す。

大学では教室の引き戸をたくさん修理したものだが家では初めてだ。

磨耗した敷居の凹みをポリマーで埋めてドライヤーで乾かす。昼食後にその上から敷居テープを貼るが2mmほど幅が広かったのでカッターで切る。戸車にはCRCを噴霧。

敷居と戸車の組み合わせはいかにも昭和だな。それらが傷んで来てガラガラと貧乏くさい音を立てる。引き戸には大抵ガラスがハメられていて、それもガタついてるからさらに騒音を倍加させる。

近隣に建った新しい家ではこんな音は聞こえないだろう。「そう言えば昔ありましたよねえ」というサウンド。録音しておくべきかもしれない。

修理で滑らかに動作して音はほとんどしなくなった。でも留守にしていた女房は気づいていない。

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もう12月じゃないか。

春からやろうとしていたことを机の前の壁に貼っていたが、ほとんどできていない。

情けない。でもこれが老人の時間なのだ。暇になってその変化に気づいたに過ぎない。