道なき道

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晴天続きで、テニスばっかりするより山歩きでもするかと向かいの火山目指した。どこから行っても山頂に着くだろうと、何気なく入ったちょっと薄暗い道を進むが、画像のような蜘蛛の巣だらけで藪が深くなって進みづらくなってきた。
右手斜面は伐採されたばかりで視野が広がっているし、これを登れば尾根沿いに道があると予想して、急斜面を登り始める。
所々に茨が残り、伐採された幹や枝は半ば朽ち果てていて支えにならない。
おまけに日差しは強く照り付け、尾根にたどり着いた時には、すっかり汗だくになってしまった。
加えて(先日から何か変だなと思っていたが、)動悸が高まったりふらついたりするパニック症状が自覚され、これはやばいなと不安が高まる。
谷の向かい側すぐ近くには電力会社の研修施設が見えて若者がスポーツをしているし、眼下には自分の家が見える。僻地でもないのだが10歩進むのにも難儀するような足元の悪さ。
ともかく木々を掻き分けて前進するが、山の荒れ方から道がこの先にあるようには思われない。
こんなとこで消耗して遭難なんてことも有り得ないことではないし、女房は気弱な声を出す。昔の俺はこういうところを何度も突っ切ったものだが、もう若くは無い。汗なのかパニック特有の冷や汗なのかも判然としない。
もう、これは駄目だ。と、女房の意見を聞いて引き返す。
出発点に戻ると農作業をしていた婦人が「ここからは登れませんよ、私らが子供のころは道があったんですけどねえ」とにこやかに教えてくれた。

わずか2時間の散歩だったが、かなりリフレッシュできた。
毎日の生活では、先がわからない、不安だらけ、そういう体験が少なくなっている。とくにこの年齢ではなおさらだ。
男には時々これが必要だ。
問題は体力だが・・・
ほんと久々だったな。