山を歩く

 

道路から10段の外階段を洗うのが近年の習慣になっている。天気もいいのでデッキブラシでゴシゴシ。

 

図書館から予約した本が届いたと知らせがあった。

「みなみの三十歳宣言」

ラジオで高橋源一郎大友良英が対談していて、安田南という伝説のジャズシンガーを知った。50年ほど前に活動していた女性だ。

浅川マキに重なる印象だが全く知らなかったが、歌はめっぽう上手い。

瀬戸内晴美に勧められて書いた唯一の本だというから読んでみたくなった。

 

百均にも用事があるから、その流れで出た帰りに荒谷山の毘沙門堂に登る。

麓の旧道から参詣の道を辿る。

暖かな午後で霞の向こうに厳島と海が見えた。

柏手を打って拝んでおく。

鐘楼で3回、鐘をつく。

ここからお堂までの山道が掃き清められていた。

眼下の住宅団地を眺めながら、戦後からの変化を想像してみる。

登り口の森には段々畑の跡も残っている。

海外へ多くの移民が渡った背景にあった生活苦。

この先、日本や世界はどうなっていくのかな。

往復の山中では誰にも会わなかった。鳥の声だけ。