何故か長崎

オブスクラの展示を終えた二日後に長崎に向かった。

金沢が面白かったから、同等な街であり、まだ行ったこともなかったことに加えて、福岡の友人にも会いたいと計画した。

博多まで1時間の「みずほ」に乗る。4列の豪華シートがお気に入りだ。

武雄までは在来線でダースベーダーそっくりの「かもめリレー号」。黒を基調にした重厚な車内はいかにも特急らしい。晩秋の佐賀平野を眺めながら駅弁を食べる。トンネルがほとんど無いのが嬉しい。

武雄で乗り換えた長崎新幹線は一転して真っ白で、シートは黄色で薄っぺらく呆れるほどに安っぽい。この不具合な乗り継ぎの背景には佐賀県の抵抗があると友人から聞いた。経済効果とか地元負担とかごじゃごじゃの後ろで儲かっているのは誰だ?

2泊するのでケチな俺には珍しくホテルは広めのツインを予約していたが、空きがあるからとさらに広い部屋が提供された。先行き短いし、あまりケチってると息子たちから 笑われそうだ。

窓からはオランダ坂の洋館群が見える。平坦な本家のオランダに坂が在るのかな?と考えると笑えるが、長崎でオランダは西欧のことだという。

身軽になって定番のグラバー邸へ。

急勾配の坂を登るスカイロードはエスカレータの長い物と思っていたらミニケーブルカーだった。いや、斜めにしたエレベータと言うべきか。

楽勝で登った丘からは港が一望できて眼下には巨大ビルのようなクルーズ船が停泊していた。女房の友人は何人も乗っているそうだが、俺は興味がない。カヤックなら乗りたいけどあれを船と呼べるのか?

グラバー邸は日本最古の木造洋館とされているが、屋根の仕上げは和風だ。ベランダがとても広いコロニアル風。西欧人には長崎の気候は亜熱帯だったのだろう。

温室内には巨大なモンステラ

洋館にしては壁が薄く、軽快な印象。ビクトリア風のインテリア。

この丘には市内各所にあった洋館が移築されて、ミニ明治村になっている。

今年の紅葉は長崎、海の見える丘となった。

園を出ると強制的に伝統芸能館へ導かれる。そこでは「長崎くんち」の祭礼が映像と実物の山車で展示されていた。よくできた映像だったが周囲に実物が置かれていて、それを交互に見ることでリアルに伝わってくる。

やはり実物ってすごいもんだな。

坂道を下っていくと大浦天主堂に至る。

そのあたりに来ると観光客がどっと増え空気が変わる。千円という入館料のためか、あまり入場者はない。キリスト教信者の多い韓国人が目立つ。

十数年ぶりの教会訪問。内部は撮影禁止なのでスケッチの真似事をしながら観察。

和風ロマネスクっていう感じで素敵

夜は中華街まで散歩。ホテルから10分ぐらい。コンパクトな街だ。

やっぱり長崎チャンポンですな。タコがいっぱい入ってさらっとしたスープが美味い。

 

一年前の藤井寺、極小空間の貧宿を思い出しながらキングサイズのベッドでゆっくり安眠。