晩夏

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標準治療は終わったけど治験薬はまだ6ヶ月続く。

点滴後の血糖や血圧を測定するのでプラス2時間の滞在になるから水曜日はほとんど潰れる。その時間のうち50分は電車通りの向かい側、千田公園のベンチでお弁当。

猛暑の午後、散歩する人も少ない。台風の影響か南風が強く、空はカラッと晴れて南国のようだ。

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小鳥も少ない。スズメが一匹ベンチの肘掛に止まってこちらを見る。とても痩せていて思わず我が家の猫ノエルの姿が浮かぶ。

この夏、風船から空気が抜けるように縮んで豊かな毛並みもボロ布のようになってしまった。19歳だから無理もない。

チーズのかけらを投げてやる。普段なら鳩と雀が集まってくるのに数匹だけと寂しい。

 

会議があるので職場に寄る。扉を開け、窓を開け、距離をとって、マスクして熱の込もらぬ会話をして終わる。活力がない。

退職前の長老が元気を出してもイヤミなので努めて大人しくしているが、とても心配だ。衰退と崩壊しか見えてこない。

昨夜、パフォーミング・アートの女王だったローリー・アンダーソンYOUTUBEで見て、すっかりお婆さんになっている姿にショックを受けた。

孫たちから目を転じて自分の周囲を見ると「老化」ばかり。

今朝の新聞トップも人口減少と高齢化だ。

国公立大学の広告も並んでいるが版で押したように「グローバル」の見出し。まだそんなことを言ってる。18歳の若者にいま響く言葉か?

教育に実利を求める貧しさ、或いは危険。

 

後期も実習以外の講義科目はリモートになりそうだ。顔が見えない相手に向かって話す。こんな形で仕事を終えるとは。

いろいろ、あるもんだなあ。