晩夏

久々に坂道の奥まで登る。夏草が生い茂って息苦しい。

これまで草を刈っていた人たちが老齢化して、若い人はそんな時間が無い。

最近は大きな道路でも緑地帯の雑草を放置するようになっている。鉄道線路も同様だ。

その人件費を出せないのだろう。

新設や新造、解体、破壊を志向して維持保存が放棄される。

この10年で確実に地域の風景は劣化した。都心の一部以外の全国が醜くなっている。

そのほとんどは人為的なものだが、そこに集中豪雨などの災害が加わった。

自然災害と呼ぶべきではないと意識が変化しているが、生活は変わっていない。

それでも栗や柿の実が大きくなっていて、すぐに秋が来て涼しい風が吹きだすよと告げている。