アンビエント

京都の家に近い七條烏丸でイーノの展覧会が開かれていた。

我々世代にとってのアートヒーローでバリバリのロンドン男ブライアン・イーノが東京を飛び越して京都に。時代は変わるものです。

あちこちに置かれたソファに横たわって、緩やかに変化する映像と音に浸る。空いている平日の夕方だったが、けっこう人が入っている。

どの作品も同じように緩やかな変化を味わうので、少なくとも20分はお付き合いすることになるけど、会場の冷房が強めでそれほど長くは居られない。そのように設定しているのだろうけど、90分近くをそこで過ごした。

帰り道、俺が通っていた幼稚園の隣の市場で、豚しゃぶの材料を買って帰る。この落差がいかにも京都で、ここで暮らすのも悪くないなと感じる。

翌日、イーノの展示に関連した作品展を、ずっと南の十条辺りに在るホテルで見た。

俺が子供の頃は殺風景な農地や工場だった地域が「ずっと京都です」みたいな顔になって来ていて、「そりゃないだろう」と感じるのだが、東京だってこんな風に都会化していったのだろうな。

展示作品は先鋭的なもので、よく分からないけれど、向かい合わせたコンピュータが互いの映像を同一化・差異化して変化していくというプログラムには可能性を感じた。

会場のホテルはロフト風のインテリアの各所に現代アートが置かれて、宿泊客はそれっぽくアート志向の若い人ばかり。フロントの兄さんもそのタイプ。2011年に開業したという。京都駅傍に建設中の芸大はほぼ輪郭が見えて来ていて、数年で七条以南は大きく変わるのだろう。その頃に引っ越すかな。