女房の父親は晩年、墨絵を習っていた。達磨の面壁を描いた見事な掛け軸が我が家にある。習作の色紙もたくさんあるので選別して処分することになり、しっかりした三脚にセットしたNIKON D7000とマイクロレンズで作品を撮影する。
解体と片付けが始まった2年前からこのカメラが活躍している。
重くて持ち歩きにくいけれど、画像の歪みも少なく信頼できる。
無骨な外見に似ず器用な人で、気負いなくさらさらっと描ける。
こういう人が世の中には居て、美術を生業にする人間にとっては脅威である。
水墨画教室の先生も苦労されたのではないかな。
これは私めの20歳ごろのスケッチ。美大の裏、智積院の一角だ。
さらに裏手の墓地。いろんな思い出が蘇って胸が締め付けられる。
世間知らずでガチガチに生真面目な青年だったな。