WORK17 Photograph

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1978 13x18cm ゼラチンシルバープリント

カメラを手に入れたのは20歳代半ばのことだ。手描きプリントのバイトでそこそこ貯金できたので念願のニコンを買った。三条河原町の写真店でウィンドウのカメラを凝視していた。当時はカメラからオーラが溢れ出していたな。

ボディはニコマート(ブラックにしなかったのを後々まで悔やんだ。)レンズは50mmF2,135mmF3.5,28mmF3.5の3本。入門者の標準コースだったが広角の28mmばかり使っていた。

フォトグラフィ論という授業があり、その中身は全く覚えていないが担当のアーネスト佐藤というハーフの教授は大変なヘビースモーカーで、咥えタバコで表れて講義を始め、短くなったら新しいタバコを取り出して、その火をつなぐ。チェーンスモーキングというやつである。まだ火がついている短いタバコをポイッと投げ捨てて踏み消そうともしない。そして

「皆さんも吸ってくださいね」

吸わないと悪いような雰囲気になって、たちまち教室は紫煙に包まれる。

学生もタバコをポイッで消さない。

なるほどね、俺が入学する前の1月に大学の南校舎が全焼した理由がわかった。

話が逸れてしまったが、

当時はコンセプチュアル・アートが全盛で、そのコンセプトを伝える、視覚化するのはもっぱら写真だった。ウォーホールラウシェンバーグが使った写真製版によるシルクスリーンも流行していたから、マイクロレンズをつけたニコンをさげた先輩に憧れるという時代だったのだ。

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