コパンリシブの点滴後は1時間ごとの検査が2回ある。
病院内は陰気だから向かい側の千田町公園でお昼を食べたり、のんびり過ごすことが多い。木陰のベンチでお弁当を食べ、カバンに入れてあったiPadでスケッチしてみた。
帰宅してから開いてみると、上のように色がどぎついほどに鮮やかなのにビックリ。
というよりガッカリ。こんな色を出したつもりはない。
現地で描いているときは、出てくる色は鈍い色ばかりで「もっと明るい冴えた発色が欲しいな」とカラーリングの中をつついていたのだが。
その時の画面を再現してみると下のようなイメージになる。
明るい屋外で液晶画面を見ると、陽光との対比で暗くなる。
大きな傘か簡易なテントで頭の上を覆わないと正しく画面の色を認識できないのだ。
万能と思われたiPadにもこういう弱点があった。
見方を変えれば発光するメディアを使ってるのに、センスは紙と絵の具に留まっている俺の限界が見えたということかも。
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昨日の昼に卒業生のKさんが研究室に訪ねてきた。
漫画家として活躍し、美術科マンガコースの講師をお願いしたこともある女性だ。
アシスタントを雇うほどに仕事が多くなったので、年頭に埼玉に引っ越したら、このコロナ騒ぎ。それ以来、久々の帰省だという。
引き籠っていた間にずいぶん仕事がはかどったそうだが、画材を尋ねるとすべてiPad。
すぐにリュックから出して見せてくれる。俺と同じPROでapple pencilとのセット。
Clip Studioを使ったオールデジタル。だからどこでも仕事ができる。
Kさんは学生時代から大きなバイクであちこち旅していて、そこを舞台にしたイラストを描いていた。バンコックを描いた水彩画は秀逸で、大きくプリントして実習室の入り口に飾っている。
写真が禁じられているところでもメモと記憶で再現できるので、そのような依頼もあるそうだ。
描くことの可能性、知らないところで拡がっている。
もう一度、描いてみて気づいた。というか思い出した。
デジタルものは再生機器によって色やコントラストが違ってしまう、という常識を。